スポーツトレーナーは、スポーツに詳しいだけは務まりません。運動を行うには身体とメンタルを使います。クライアントに的確で効果的なアドバイスをしていくには、様々な知識を持っておく必要があります。ここではトレーナーが持っておくべき知識の分野をご紹介します。
解剖学
トレーナーは体の動きの専門家である必要があります。例えば、筋肉や骨の構造がどのような関わり合いを持っているのかとか、どこを動かせばどこに作用が及ぶかとかということを基本的な知識として持っておく必要があります。またスポーツや生活習慣によって酷使する筋肉や体の部位の偏りを知り、ストレッチなどでバランスの良い体を維持するメンテナンスの知識も必要です。ケガの予防、治療、リハビリの効果を上げる際にも、解剖学の知識は必須になります。
生理学
トレーナーは人間の循環についても良く知っておく必要があります。水分や血液、リンパ液、細胞などに至るまで、日常の動きやスポーツの中で目まぐるしく変化します。その特徴を知っておくことで、より良いコンディションを見守り、高いパフォーマンスに繋げるサポートができるのです。生理学の知識は、心拍数、血圧、汗や呼吸の変化などをモニタリングし分析、判断する際にも必要になります。
医療(応急処置・代替医療)
応急処置の手順は、全てのトレーナーがその基礎を学んでおかなければなりません。切り傷、出血、骨折、打撲、脱臼、筋や腱の損傷、脳震盪など様々な症状に対応できることが求められます。応急処置がその後の回復を左右するからです。リハビリなどの際には、西洋医学以外の代替治療として鍼灸やカイロプラクティック、アロマテラピーなどの方法も有効な方法として数多く取り入れられています。
心理学
運動能力の向上、継続の維持を助けるための一般心理学、スポーツ心理学の知識も役に立ちます。相談を受けることも多くなるのでカウンセリング、またはコーチング的な役割も果たしていく必要があるからです。栄養学
体は運動だけでなく、毎日口にする食べ物や飲み物の影響も大きく受けています。健康の維持はもちろんのこと、運動能力を効果的に上げていくための知識も必要です。飲んだり食べたりするタイミングや量、そしてそれぞれの栄養価や体への働きかけの特徴を理解することが役立ちます。トレーニングメニューの一環としてレシピを提供することもあります。
スポーツ界の最新情報知識
学んだことの中で普遍な内容もありますが、世の中の移り変わりの中で技術が発達したり、人間の性質が習慣によって徐々に変化してきたり、分析や調査の高度化や深化で新たに判明することも良くあります。スポーツ界のルールの変化が見られることもあります。このような情報の変化をいち早くキャッチしていくこともスポーツトレーナーの責任の範疇と言えるでしょう。求人の内容に直接条件として含まれていなくてもこれらの知識はどんな種類のトレーナーであっても役に立っていくものです。知れば知るほど奥深いものばかりです。深く追求してみてください。
理系大学で応用生物工学を専攻。そこで学んだ生体機能の知識を活かしてリラクゼーションサロンの店長を経験。『人のカラダって素晴らしい!』が口癖。生まれ持ったカラダが持つスキルを最大限発揮するためのトータルコンディショニングが得意分野。